産業保健師の日常

【産業保健師】デスクワークで運動不足&全身疲れます(意外なデメリット)

2019-04-05

 

私は産業保健師として、企業に勤めています。

自分のいる会社の社員の健康管理を担っています。

 

そのため、毎年行われる健康診断の結果、良くない結果だった社員さんに対して保健指導を行い、健康状態が改善できるようにアドバイスをしています。

 

アドバイスとしては、食事や運動に関することがメインです。

 

みなさんは、運動していますか?

 

「運動」というのは、1週間に1回以上、かつ、1回30分以上継続して行うものを指します。

 

この「運動」は、何でもよいので少しでもやっておいた方が良いですよ。

今後のためにも、本当に。

運動をナメてはいけません。

 

 

私は看護師の後、保健師になりました。

 

看護師は毎日立ち仕事で体力を使い、全身的に疲労を感じる日々でした。

仕事の中で運動しているようなものでしょうか。

 

いつも

「歩数計つけたら何万歩になるんだろう…」

と思っていたほどです。

 

お昼休憩も取れないような、立ち止まることができないくらい忙しい日もありました。

 

しかし、そんな日々の中で、看護師という業務の心身への負担を感じ、

また、看護師と同じような理念の元で今後もずっと続けられるような仕事に就きたいと思い、

保健師になりました。

 

保健師は基本的にデスクワークです。

看護師と保健師の仕事を比べた時、そのワークスタイルの違いは予想していたのですが、デスクワークでも意外と疲れるものです。

これまで体力勝負の世界にいた私が、デスクワークの世界に飛び込むと、また違う苦労を感じることになりました。

 

デスクワークによる心身への影響とは

 

看護師の頃は、ずっと歩き回るような立ち仕事。

そんな生活を長く続けた後、今度はデスクワークの生活です。

 

この急激な変化、どう思いますか?

 

「座れるから楽で良いじゃん」

 

そう思う方もいるかもしれません。

でも、人は習慣づいたものを急に変えるとストレスが生じるものです。

 

デスクワークの特徴はこんな感じ

 

・ずっと同じ場所に座っている

・ずっとPCを使っている

・黙々と仕事をしている

 

皆さんの想像通りでしょうか。

 

看護師の頃も、デスクワークとは言いませんが、

ナースステーションに座り、PCで記録を入力するような作業もたくさんありました。

 

ですが、それとはデスクワークの“業務時間”が比になりません。

 

看護師はちょこちょこといろいろな作業をしています。

記録を書くために時間を作ることは難しく、

むしろ他の作業の合間に記録を書くことがほとんどです。

そのため、じっと一か所にとどまり座り続け、PC作業を長く行うことはほぼ無いです。

 

逆に保健師の仕事は、基本がデスクワークですので、

面談や他の業務があれば席を離れることもありますが、

基本は席について仕事をしています。

 

看護師と保健師は、本当にワークスタイルが真逆ですね。

 

 

では、日々動き回る仕事をし、デスクワークをしたことが無かった人が、

突然デスクワークを始めるとどうなるのでしょう。

 

 

疲れるんです。

じっとしているのが苦痛なんです。

身体を動かしたくなるんです。

 

 

不思議ですよね。

座っているだけなのに、疲れるだなんて。

私は当初、想像もしていませんでした。

 

 

座りすぎておしりが痛い

 

Q)ずっと座り続けるとどうなるのか

 

A)おしりが痛くなる

 

これは、映画館で映画を観たり、長時間飛行機に乗ったときに、同じように感じる人もいるかもしれません。

長く同じ姿勢を続けることで、血流が悪くなり、筋肉が堅くなって柔軟性が失われ、痛みを生じてしまいます。

 

私は春から保健師を始めたのですが、秋~冬頃、左のお尻付近に、痛みのような、しびれのような感覚を覚えました。

初めての感覚だったので、一体何が起きているのか、この痛みの原因が何なのか、よくわかりませんでした。

 

以前整骨院に通っていたこともあり、この痺れや痛みの原因を調べるため、また、改善してもらうために、整骨院へ行きました。

 

結果、原因は運動不足。。。

 

デスクワークでお尻が固まるとともに、仕事以外で運動をしていなかったのでほぐされず、どんどん悪化してしまったわけです。

 

ですが、デスクワークの仕事なので、スタイルを変えるのは容易なことではありません。

 

デスクワークは保健師だけでなく、SEといった一般的なサラリーマンにもあてはまるのですが、

そのデスクワークによる心身の不調は以前から唱えられていたようです。

健康意識の高い先端を行くような企業では、立ちながらPCを扱ったり、ジムにあるようなバイクをこぎながら仕事をするなど、ワークスタイルに工夫をしているようですよ。

 

 

しかし私の勤める会社は一般の会社であり、そんなワークスタイルを変えるなんてこと、絶対に誰も思いつかなそうなところです(苦笑)

なので、それは諦め、どうにか対処しないといけない状態に。

 

 

そもそも運動不足はおしりだけではなく様々な面へ悪影響を及ぼすため、少し運動を始めました。

と言っても、慣れない仕事をするだけで精神的に疲れますので、

ジムへ行くとかではなく、

帰り道に40~50分かけて歩くことにしました(毎日ではありませんが)。

 

そして同時に、おしりのストレッチを始めました。

 

この効果があって、今ではお尻の痛みを感じることはごくたまにです。

運動効果万歳!

 

PCで目が疲れて、視力が落ちる

 

このデスクワークによる悪影響は、容易に想像できますね。

PCの見過ぎ・使い過ぎです。

SEさんやゲーマーに眼鏡率が高いように思うのも、その影響なのかと思います。

 

とにかくPCを使いますので、目が疲れます。

看護師時代でこそ、記録でPC使うときには疲れたものです。

特に、夜勤中に暗い中でPC使うと、本当に目がやられてしまって…

 

1時間の作業の後、10分程度は目を休ませましょう、という話はよくあります。

実際に当社でもそういった話をしています。

 

しかし、仕事に夢中になると、1時間なんてあっという間。

目を休めることも手を休めることもないまま、作業をしてしまうのが常なのです。

いけませんね。

 

そういったことを続けることで、目はとても疲れますし、

視力がぐーんと落ちます。

 

わたしはもともと視力が良い方ではありませんでしたが、

保健師になって少し視力が悪化している実感があります。

 

また、目の疲れがひどくて、

家に帰ったら身体の疲れもあってすぐに寝たくなることもありました。

 

世界では、今やPCの無い生活は考えられません。

いつでもどこでもPC。

携帯電話だってPCのような進化を遂げ、スマートホンになってしまいました。

 

こういった、「画面を見続ける」という行為が、目へ大きな負担をもたらします。

 

目が疲れすぎて痛くなったり、頭痛を引き起こすこともあります。

 

やはり、適度に目を休ませてあげなければなりませんね。

 

目は、一生ものです。

 

私は、家では目を温かいタオルで覆ったり、会社でもたまに目を温める商品を使ったりして、目を休めています。

これだけでもだいぶ違います。

何より、心も休まる感じがあって、この「目を温める」のは私のお気に入りのルーチーンになっています。

 

 

PCが友達になり、人との会話が減る

 

保健師として一企業に勤めていますが、

私のいる環境は、健康管理室に「ぼっち」です。

 

そう、ひとり職場なんです。

事務所内には多くの社員がいますが、事務所内に設置されている健康管理室では私一人だけ。

 

もちろん、必要事項は関係各所と連絡をとります。

話すことが全く無い日はありません。

 

ですが、看護師時代を思い返してみると、、、

・日々患者さんを受け持ち、次の看護師へ引き継ぐまで担当する → 患者さんとの会話がたくさん

・同年代の女子がたくさんいる → おしゃべりが尽きない

・業務上チームワークが必要 → コミュニケーションとして会話は必須

・日々ミーティングがある → 発言が求められる

 

簡単に考えてもこれだけの要因がありますので、

看護師にとって、人とのかかわり、コミュニケーションは必須であり、

それに要する時間数はとても多くなります。

 

しかし今、私はひとりで部屋に入り、仕事をしています。

ひとりなのでとても自由です。

でも、話し相手がいません(泣)

 

他者と協力して仕事を進めるのはもちろんなのですが、

必要時に連絡を取る程度で、それ以外はひとりでPC作業です。

社員さんとの面談も、1日中、ずーっと行うということは稀です。

会社全体として見ても、同年代の女性はとても少なく、身近にはいないのです。

 

なので、PC相手に作業をする日々となり、職場での会話はとても少ないという現状があります。

 

きっと、ひとり職場でなければ話は別でしょう。

二人以上の保健師がいる職場であれば、保健師同士のコミュニケーションは必須ですし、

相手の性格や気質によって、会話は多くなるでしょう。

 

 

環境に慣れ、対処できるようになるので大丈夫

でも、慣れればどうってことは無いのです

 

保健師になって、その環境の変化に戸惑い、心身への影響が多少なりとも出たのは事実です。

 

でも、誰だって新しい環境に行けば同じはず。

何らかのストレスが生じると思います。

 

私も保健師としては、全くの新人ではありません。

デスクワークにも慣れました。

不調が生じても、やはり医療職ですのでそれなりの対処法を考えたり日々気を付けることで、

どうにか乗り越えること、対応することができています。

 

コミュニケーションは、確かに少ないですが、プライベートであれば十分と思っています。

もともと職場での交友関係は最小限に抑えてきましたので、

そこまで大きなストレスにはなりません。

家族と話をしたり、直接話が出来なくても友人とLINEで連絡を取り合えれば、私は大丈夫でした。

 

仕事作業は孤独ですが、ひとりだけですべての仕事をしているわけではありませんし、

そこかでみんなと繋がっているのもわかっているので。

 

 

とにかく、私が感じた保健師職スタート以降の障害・弊害は、今現在は大きな問題ではありません。

なので、これから保健師を目指す方、デスクワークになる方も、そこまで心配しないでくださいね。

 

ただ、今のうちにこういう情報を知っておくと、その場面にあたったときにスムーズに対処できるはずなので、頭の片隅には入れておくようにしましょう。