産業保健師の日常

病院で働く看護師のためにも、病院における産業保健を

2019-09-11

「働く全ての人々へ」

こんなメッセージが込められている産業保健活動を担う専門職スタッフの一人が、産業保健師です。

その「働く全ての人々」の対象の中に、病院で仕事をしている人々をしっかりと含めて欲しいと感じています。

 

繰り返しになりますが、産業保健というのは、働く人々の安全と健康を守るためのものです。

つまり、「仕事をしている全ての人々」のためのものなのです。

 

病院で「産業保健」を聞いたことが無かった

しかし、病院における産業保健は、なかなか耳にすることがありません。

全ての働く人々にとって大切な産業保健の場が、なかなか医療業界には入っていくことができていないのです。

その理由を考えてみると、

・産業医を病院勤務医が兼任している

・健康についての知識を備えている人が多い

・医療現場に医療職が入り込みづらい

他にも様々な理由があると思いますが、とにかく、産業保健がしっかり成立している病院は、少なくとも私が働いていた病院では無かったんです。

これまで大学病院や地域の中規模病院で仕事をしてきましたが、無かったんです。

産業保健師に関する情報を、看護師が知らない理由はコレもありそうですよね。

産業保健の現場で行われる業務内容は様々な分野がありますが、おそらく「安全」という観点では非常に厳しく行われているはずです。

・ヒヤリハット

・インシデント

・アクシデント

こういった報告は必ず速やかに行われており、しっかりと対策も考えれられていますよね。

医療ミスには敏感に反応しています。

針刺し事故もその一環で、働く人を守るためにも、その観点での動きは俊敏な気がします。

 

一方で、メンタルヘルス対策はどうでしょうか。

多くの医療職が働く病院ですが、看護師経験者の私としては、看護の現場は非常に厳しいと感じます。

そして、多くの人がメンタル不調に陥り、結果として辞めてしまう人は少なくありません。

特に新人看護師時代は緊張とプレッシャーでハードな日々を過ごしていると思います。

ですが、そのメンタルケアに当たるのは、3年目くらいで担当することになるプリセプターだったり、それ以上の経験を持つリーダー世代。

特にメンタルヘルスについてしっかりと勉強をしたことが無いのに、自らの経験や院内研修で身につけた知識を活用してサポートに当たっています。

でも、本当の悩みを先輩ナースに相談できますか?

相談したら、すぐにその上の先輩に伝わる、師長に伝わるというような心配がありますよね。

こういう時に、気軽に相談できる場が必要だと思いませんか?

新人ナースだけではなく、プリセプター、リーダー、その他全ての人が気軽に相談できる場が産業保健の場にはあります。

プライバシーは守られていますので、相談内容が職場に知られることはありません。

もちろん、「自殺企図がある」といった緊急な場合には、職場に知らせることになると思いますが。

それ以外のケースでは、職場に伝える必要性を感じた場合、必ずご本人に前もってお伝えし承諾を得た上で行います。

こういった相談場所がなかなか無いのが病院の現状です。

 

そんな看護師のためのメンタルヘルスサポートをしたいと思っています。

サポートといっても大それたことではなく、思っていることを話せる場所を作りたいだけです。

私は看護師として10年以上仕事をしてきました。

看護師として病院の転職も経験しましたし、

看護師から産業保健師へ転職をした経験もあります。

看護師時代はなんども辞めたいと思いました。

新人時代、2年目、3年目、それぞれで悩みは異なりました。

プリセプター、リーダー、係のリーダー、委員会への所属、師長代理。

色々な役割を担ってきました。

そんな看護師としての経験をしているからこそ、今看護師をしている人の気持ちを少しは理解できるように思うんです。

より寄り添って話を伺うことができるのではないかと思っています。

 

看護師のためのPrivate Healing Meet-up

産業保健師としての仕事では、従業員の健康管理がメインとなります。

健康というのは、カラダの健康とココロの健康、両方を指します。

私はココロのサポートに関してはまだプロではないだろうと重い、研修へ行ったりしながら学んできました。

「心理相談員」という資格も取得しました。

今後、より深く学ぶため、東京大学での研修コースにも参加します。

そう行った学びを活用し、病院における産業保健を展開したいと思っていますが、まずは看護師を対象とした個別の相談に応じていきたいと思っています。

直接お会いする方法

LINEなどを利用したコンタクト方法

メールを用いた方法

色々な方法を検討していますが、対象の方に合った方法を取り入れられるようにするのが理想ではありますよね。

こちらもまだまだ構想段階。

でも想いを形にすることで、一歩でも前に進むのではと思い、こんな段階でも残しています。

看護師のココロを少しでもhealingできるように頑張りたいです。