研修・資格 資格

産業保健師に役立つ資格とは?【プラスαの7スキル】

2019-03-26

 

産業保健師になるための資格を知りたい。

あと、他の人と差をつけられるようなスキルは何だろう。

と考えていませんか?

 

本記事では、下記の内容を解説します。

本記事の内容

・産業保健師になるための資格

・持っていると有利な資格やスキル

 

私は元看護師です。

転職し、今の産業保健師として仕事をしています。

実際の業務を経験することで、必要な知識やスキルを身を以て感じていますので、この記事の信頼性は高いと思います。

結論としては、以下になります。

 

結論

仕事をするための必須資格は看護師と保健師

持っていた方が良いスキルや資格は、業務上必要な知識や技術を身につけられるもの

 

それでは、細かくお話しします。

 

産業保健師に必要な資格と取得方法

 

必須資格は看護師と保健師の国家資格 

 

産業保健師というのは企業などで働く人々の健康管理や疾病予防に関わる保健師のことです。

なるために必須となる資格は、看護師と保健師です。

看護師や保健師については、保健師助産師看護師法(通称「保助看法」)という法律で定められています。必ず学校で学ぶ法律の一つです。

保健師助産師看護師法 第十二条 

保健師免許は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格した者の申請により、保健師籍に登録することによって行う。

となっています。

 

資格取得方法

 

指定された教育機関を卒業し、看護師と保健師の国家試験を受験して合格することにより、それぞれの免許を取得することができます。

この場合、看護師の資格がないと保健師の受験資格は得られません

試験は毎年各1回です。

(ただし、所定の教育を終えている場合には、看護師と保健師の資格試験を同じ年に受けることができます)

保健師助産師看護師法 第十九条

保健師国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。

一 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校において一年以上保健師になるのに必要な学科を修めた者

二 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、都道府県知事の指定した保健師養成所を卒業した者

三 外国の第二条に規定する業務に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国において保健師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの 

 

私の場合は4年制の大学を卒業するとともに看護師と保健師の資格を取りました。

両方の資格を取得するには、最低でも4年間かかります。

ですが、今では大学を卒業して看護師、その後大学院を卒業することで保健師の受験資格を得られる制度に変わってきていますね。

 

保健師は地域に住むあらゆる人々を対象として活動をします。

普段生活するために関わる法律に関する知識や、日本の社会情勢についての知識が必要です。

 

看護師としての知識をベースとし、その知識を踏まえた上で地域で生活する人々の健康支援をしていくことになりますので、仕事内容が幅広く、それとともに知識の幅も広くなります。

法改正などが随時行われていますが、そういった情報にアンテナを巡らせておくことも重要です。

関連書籍

 

プラスαにオススメ

 

 

7つの資格やスキルについてお話ししますが、これらは保健師全般に役立つものです。

保健師志望だがまだどこで仕事をするか絞れていない場合にも無駄になることはありません。

 

第I種衛生管理者

 

保健師の資格を所有していれば、都道府県への申請により第一種衛生管理者の資格を取得することができます。

申請には少しお金と手間がかかりますが、時間があるときに行いましょう。

 

まだ保健師として仕事をしていない場合、平日に自由に動くことのできる時間があれば、申請しに行きましょう。

基本的にそういった資格系の手続きは行政機関になります。

保健師として仕事を始めると平日は仕事になりますので、平日に動くことがやや難しくなります。

前以て申請しておくと良いです。

 

看護師の資格のみで産業の場にチャレンジしたいという方は、保健師資格が無い場合には衛生管理者の資格を取得しておくと良いと思います。

I種とII種がありますが、I種を目指しましょう。

 

衛生管理者の資格を取りたい
企業の看護師(産業看護師)になりたい【第一種衛生管理者を目指そう】

保健師ではないけれど企業で看護師になれるのかな? 衛生管理者って何? こんな疑問を解決します。   保健師の資格が無くても可能性はある 「産業保健師」とは企業で働く保健師を指しますが、この職 ...

続きを見る

 

 

PCスキル

 

仕事を行う上でPCスキルは必須です。

常にPCを使用して業務を行います。

PCが苦手な場合は、できるだけ慣れておきましょう。

 

最近は労働管理が厳しくなってきていて、始業や終業も各自のPCon/offで管理されていルところが増えています。

弊社では各自1台PCが貸し与えられています。

そのPCを使って業務を行いますので、必要な設定は基本的に自分で行うことになります。

もちろん、わからない場合には他の人の手を借りることもできますが、最低限の設定しか頼みにくいと思います。

より自分が使いやすくするためには、やはり自分でPCについて学ぶ必要があります。

 

といっても、簡単な設定はググればすぐにできますので、心配ありません。

ただ、学生まではレポートなど簡単なPC作業しかしませんし、看護師としてもPCを使うのは最低限。

より一歩踏み込んだスキルがあると、自分の業務の幅が広がり、とても便利です。

 

例としては、よくありますが、Word,、Excel,、PowerPointです。

私の会社はOutlookも使用します。

 

業務を行う際、従業員との連絡でOutlookメールを使用します。

1日に最低10通はメールのやりとりを行います。

繁忙期には30通とか普通にやりとりします。

 

保健事業の企画や報告書作成時にはWord。

Wordスキルは基本文書が作成できれば大丈夫だと思います。

 

従業員の予定や健診結果など様々なデータを管理・集計するためにExcel。

表やグラフの作成に加え、複数の関数を使いこなせたり、開発ツールを使えれば基本作業はできると思います。

電子カルテが導入されている企業は少なく、私の場合も同様ですので、データ管理にExcelを使い、複数のデータ管理ができるように工夫しています。

企業に入ったばかりの頃は、このデータベースを作る作業に追われていました。作らなくてもできますが、最初に作ってしまえば後が楽なので。

 

保健師の大事な業務である、健康教育ではPowerPointを使います。

簡単なアニメーションがつけられれば大丈夫かと。

 

PC初心者&苦手な方は基本から押さえていきましょう。

 

語学力(英語)

 

英語ができると仕事の幅が広がります。

外資系の企業は語学力が必須です。

外資系ではなくても、外国人従業員が増えているので語学力がある方が優遇される場合があります。

特に採用条件に記載が無くとも、どこの企業にも外国人従業員がいることが多いため、英語ができた方が業務で困ることがないです。

海外進出している企業であればできると何かと便利です。

 

スキルや資格としては、英会話、TOEIC、TOFLE、IELTS、英検など。

資格取得が給料アップに反映される企業もあります。

 

業務内容によっては使えそうな本

 

メンタルヘルス対応:産業カウンセラー

 

メンタルヘルス対応を行う上でカウンセラーのスキルがあると有効です。

従業員の心身の健康管理に関わる仕事ですが、昨今では精神的な問題を抱える授業員が増えてきており、企業の重点対策として取り上げられていることが多いです。

 

資格の一つとしては、産業カウンセラーがあります。

産業保健業界では有名かつ有効な資格で、メンタルヘルス不調だけでなく、単純に面談や相談を行う場面で大いに役立ちます。

 

産業カウンセラーは元々労働省技能審査の公的資格であったこともあり、広く知られています。

臨床心理士も有名かつ有効な資格ですが、そのような資格の中でも通信教育で取得でき、仕事をしながらでも取得しやすい資格の一つですので、時間がある方はチャレンジしておくと良いと思います。

 

社会全体としてメンタルヘルス対策が注目されていますので、産業保健師ではなくてもメンタルヘルス対応ができるよう資格をとる人も多いです。

産業カウンセラー以外にもメンタルヘルス系の資格は沢山ありますので、ググってみてください。

 

 

社会人全般:ビジネスマナー

 

ビジネスマナーを備えておくことは社会人として最低限のスキルです。

日本社会では新人研修としてビジネスマナーを叩き込まれることが多いです。

ただし、保健師として一人だけ入社したり、既卒で途中からの入社となると、研修を特別受けないまま仕事が始まルことが多いです。

しかし、これまでに企業で仕事をしたことが無い場合、ビジネスマナーが不十分である場合があります。

産業保健師は企業の従業員を相手に仕事を行いますし、相手は基本的マナーを身につけています。

そういった人々を相手に業務を行いますので、相手の役職に関わらず、最低限のビジネスマナーは必ず身につけておくべきです。

メール、電話対応、名刺交換など、ビジネスマナーが必要な場面は多いです。

 

 

履歴書にも書けるので、資格を取ってしまいました(笑)

資格取得までしなくとも、初めて会社組織に属するのであれば読んでおくべき。

 

介護系:ケアマネージャー

 

高齢社会で生活するときに特に役立つ知識を備えることができます。

ケアマネージャーの知識を持っていると、高齢の親を持つ従業員の相談に乗ることも容易にできるようになります。

従業員の平均年齢は企業にもよりますが、多くは40代です。

そういった世代は自分の業務だけでなくプライベートの悩みを抱えていることが少なくなく、特に親の介護問題を抱えているケースが多いです。

従業員の健康に関する面談をしていても、そういった介護に関する相談を受けることは多々ありますので、知識を蓄えておくと良いでしょう。

ご自身の生活にも役立ちますよ。私は先輩からすすめられました。

 

データ分析・統計

 

保健師に必要な知識として、統計学も挙げられます。

健康診断など多くのデータを取り扱いますので、データをまとめて分析する力があると尚良いでしょう。

保健師の受験資格を得る過程で学ぶと思います。

学んだ証として残せる資格としては、統計検定というものがあります。

検定まで受けなくとも、統計に関しては学んでおくと業務ですぐ活用できますよ。

統計検定を受けたい

 

まとめ

 

産業保健師なりたい!と思ったときに必要となる資格や、採用試験や就職後に有効な資格やスキルをご紹介しました。

資格はただの形であり、特に必須ではありません。

ただし、その資格に関する学習は、保健師業務を行う上でとても活用できますので、資格取得までしなくても、勉強をするのに無駄は無いかなと思います。

 

そして、せっかく勉強するなら資格取れると嬉しいですよね。

でも、どの資格取得も簡単ではありません。

それなりに時間が必要です。

 

資格やスキルにはアピールの他に、コレまでの経験を形に表したものでもありますので、私の場合はずっとICUで看護師をしていたので、ACLSやそういった救急対応スキルは救急時に冷静に素早く対応できるというアピールとして使えると思います。

スキルがなくても、熱意や将来の目標といった自分の考え持ち続けることも大切です。

熱意や目標が無い人には魅力を感じづらく、採用されにくいですので。

産業保健業界は看護業界と比べてまだまだ発展途上の段階です。一緒に盛り上げていきましょう!