産業保健師が初期に行くべき総合研修・セミナー3選!

こんにちは、産業保健師のカナです。

疑問ホケンシ

研修へ行きたいけれど、どの研修へ行ったら良いの?

研修ってお金がかかるけど、それだけの価値はあるの?

初心者保健師さんや一人職場の保健師さんは、なかなか情報源が少ないので、疑問はたくさんあるはず。

ここでは保健師初期の頃に行くと役立つ総合研修についてお話します。

対象としては、これから保健師になる方、保健師を始めて1〜5年目くらい方にオススメです。

総合研修の場合、研修の内容(講義テーマや講師など)が当日までわからない場合が多いです。以下の研修は参加するまでわかりませんでした。費用が高額ですので、内容を見極めて参加したい方もいると思います。今回、講義テーマや講師を全て明かしていますので、ぜひ、今後の研修選択の際の参考にしてみてください。

※講義テーマや講師は年度で変わることもあります。

産業保健師が初期に行くべき総合研修やセミナー3選!

最初は保健師業務全般に関わる知識が必要ですので、2〜3日かけてまとめて学べる総合研修がオススメです。

体系的に学習できる研修は少ないので、時間の都合がつけば、幅広く基礎学習ができますので、少し値段は高めですが、コスパは良いので行く価値はあります。

多種の講義が行われますので、様々な種類の内容を、他の講義と関連付けて押さえていくことができます。

行動変容実践のための保健指導者養成セミナー

主催・講師

主催: 一般財団法人 家族計画協会 JFPA(Japan Family Planning Association)http://www.jfpa.or.jp/

講師: (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明(医師・医学博士) 他

    RISP(Research Institute of Strategy for Prevebtion)https://www.jrisp.com/

研修内容

この研修は、毎年1回、2月頃に開催されています。

私が参加した時は、3日間コースと4日間コースに分かれており、保健師初心者は4日間コース、保健師経験者・レベルアップコースは3日間コースとして設定されていました。

研修ではテキストや保健指導教材を使用し、参加者同士で保健指導を行う、観察する、といった演習が多く取り入れられていました。こうした演習により、講義で得た知識がすぐに活用され、定着につながります。

また、参加者同士のコミュニケーションが取れるようになりますので、情報交換もでき、より楽しい場になります。

教科書や保健指導で使える教材を使用しながらの講義になりますが、その教材は今の現場でも活用しています。

やはり実際に使えるというのはありがたいですね。

私が参加した時の研修内容・講義のテーマは以下になります。これから受講を検討されている方は、ご参考にしてみてください。

行動実践のための保健指導者養成セミナー

1)循環器疾患の疫学

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

2)生活習慣病予防と健康教育の方法

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

3)栄養食生活のために基礎知識と栄養アセスメント

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

4)運動指導の理論と実際

   岩手大学 教育学部保健体育科 教授 栗林 徹

5)高血圧の栄養・食事指導のポイント

  (合)生活習慣病予防研究センター 保健師 亀ヶ谷 律子

6)脂質異常症の健康教育

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

7)生活指導及びメンタルヘルスケア

  人間総合科学大学 健康栄養学科 教授 奥田 奈賀子

8)健康教育の理念と実践

  (合)生活習慣病予防研究センター 管理栄養士 辻 恵子

9)飲酒と健康

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

10)メタボリックシンドロームの栄養学・疫学

  帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座 講師 浅山 敬

11)演習:健康教育

  (合)生活習慣病予防研究センター 管理栄養士 網谷 陽子

12)禁煙指導の実際

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

13)健診結果に基づくリスク層別化と対策

  北海道大学大学院医学研究科 社会医学講座公衆衛生学分野 準教授 中村 幸志

14)データヘルス計画における保険事業の種類と対策

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

15)口腔保健 H23歯科疾患実態調査から

  (合)生活習慣病予防研究センター 代表 岡山 明

16)保健指導とメンタルヘルスケア

  (合)生活習慣病予防研究センター 保健師 亀ヶ谷 律子

感想など

研修は講義と演習で成り立っていました。各講義の資料はわりと多くありました。いや、かなりのボリュームですかね(笑)

4日間、朝から夕方まで、ずーっと大学の講義を受けている感じです。でも、私も本気で保健師を頑張りたいと思っていたので、必死でした。

研修については、上記内容を見てわかるように、保健指導関連の内容が中心になっています。保健師にとって、保健指導は、仕事の要。まずはこちらを押さえておかなければなりませんね。

もちろん、特定保健指導にも活かせる内容でした。そういった指導をしっかりと行うことができるよう、根拠から押さえていくような講義でした。

この主催者である『家族計画協会』についてですが、保健指導に必要な教材を多種販売しています。

リーフレットやパンフレット、メタボ教育用のモデルグッズなど、さまざまなものがあります。

また、私が参加した研修以外には、下記のようなテーマの研修を開催しています。

・性の多様性を学ぶセミナー

・お母さんと子どもの元気セミナー

・働く女性の健康支援セミナー

・小児アレルギーを学ぶセミナー

・知っているようで知らない~性の健康セミナー

女性家族関連のセミナーが多い印象です。また、他の企業や団体によるセミナーを主催されているのも多いです。

そして、この研修を主に担当された岡山先生は、以前から生活習慣病や循環器・血圧関連疾患の研究に取り組まれてきたようです。

そのため、生活習慣病予防研究センター代表という立場でありながら、自ら講義を多くやっていらっしゃり、とても話がわかりやすいの印象的でした。

産業保健指導・産業栄養指導専門研修

主催・講師

主催:中央労働災害防止協会 JISHA(Japan Industrial & Health Association)(通称、中災防と言います) https://www.jisha.or.jp/

講師:中央労働災害防止協会所属講師、他

研修内容

こちらの中災防は、産業保健職業界では有名です。安全衛生管理といえばココです。産業保健師や医療職以外にも、経営層や安全衛生管理者、ライン管理者向けの研修会も設けられています。

「すべての働く人々に安全・健康を」という理念に基づき、すべての企業にとって必要となる安全衛生に関する知識・技術全般の普及を目的とし、様々な活動が行われている協会です。

この研修でも、保健師にとって必要な知識や技術を全般的に学ぶことができました。

私が参加した当の研修内容は、以下のようになっていました。

産業保健指導・産業栄養指導専門研修

1)働く人の健康づくりの動向

  中央労働災害防止協会 健康快適推進部 研究支援センター 所長 三觜 明

2)参加者相互の情報交換

  中央労働災害防止協会 健康快適推進部 研究支援センター 副所長 浜谷 啓三

3)禁煙支援

  (合)地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター センター長 中村 正和

4)職場のメンタルヘルスの基礎知識

  (合)日本精神保健福祉連盟 常任理事 大西 守

5)食生活と健康

  (有)クオリティライフサービス 代表取締役 管理栄養士 小島 美和子

6)行動科学理論を活かした健康支援

  公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所 主任研究員 甲斐 裕子

7)健康づくりのための身体活動の方法

  中央労働災害防止協会 健康快適推進部 研究支援センター 副所長 浜谷 啓三

8)口腔保健

  東京医科歯科大学大学院 歯科学総合研究科 教授 品田 佳世子

9)企業の事例紹介

  キャノン(株)人事本部 ヒューマンソリューションズ推進センター 健康支援室 室長 保健師 矢内 美雪

10)健康支援プログラムの実際

  オリンパス(株)人事部 統括産業医 内田 和彦

感想など

最初に参加した研修と比べると、保健指導だけではなく、メンタル関連の詳しい研修や行動理論といった珍しい講義も含まれていました。事例紹介もとても良かったです。

やはり、他社の頑張りを聞くと、その活動が羨ましく感じるとともに、自分も頑張らないと!と思いますね。

中災防の研修では、一定の単位を取ると『心とからだの健康づくり(THP)指導者』のうちの『産業保健指導者』として登録されます。

認定証とともに免許証のようなカードをいただけます。

その資格には3年間の期限があるため、3年以内に所定の単位を取得することで、資格の延長が可能になります。

この研修内でも、最初の方と最後に演習・グループワークがありましたので、参加者同士でコミュニケーションを取り、名刺交換が盛んに行われていましたよ。

特定保健指導実践者育成研修(標準コース)

主催・講師

主催:中央労働災害防止協会 JISHA(Japan Industrial & Health Association)

講師:中央労働災害防止協会所属講師、他

研修内容

主催は先に受けていた研修と同じところです。そして、見ていただくとわかるのですが、研修名は別物なのに、講義内容が被る部分があり、ちょっとショックでした。。

募集の時は、研修名しか表記されていませんでしたので、どのような講義が行われるのかは、当日までわかりませんでした。そのため、このようなことになってしまったのです。研修時期が近かったせいもあるかもしれませんね。主催者が同じで似たような研修を受ける際には、注意しましょう。

私が参加した当時の内容・講師は以下になります。

特定保健指導実践者育成研修(標準コース)

1)健診・保健指導概論

  三井化学(株)本社 健康管理室長 統括産業医 土肥 誠太郎

2)生活習慣改善につなげるためのアセスメントと行動計画

  三井化学(株)本社 健康管理室長 統括産業医 土肥 誠太郎

3)身体活動・運動に関する保健指導

  中央労働災害防止協会 健康快適推進部 研究支援センター 福島 光彦

4)食生活に関する保健指導

  (有)クオリティライフサービス 代表取締役 管理栄養士 小島 美和子

5)行動変容に関する理論

  公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所 主任研究員 甲斐 裕子

6)保健指導の展開と評価

  にしのうえ産業医事務所 産業医 西埜植 規秀

感想など

講義のタイトルや講師の方を見るとすぐにわかるのですが、多少、前回の研修と内容が被っています。特に、4と5でしょうか。

講義の位置づけとしては、今回の研修は前回の研修のステップアップが目的のものでしたので、前回よりも今回の内容の方が少し詳しく深い内容になっていたように感じます。

どちらの先生も、講義内容も、私は嫌いでは無かったので、苦痛とかは無かったのですが。

 

正直、この小島先生の話が好きで、この先にも数回小島先生のセミナーへ参加しました。今でもセミナー開催情報をチェックしています。急激にメディアでも取り上げられており、保健指導・栄養関連ではすごく良い情報をくださいます。

また、土肥先生は別の会場でも拝見しました。おそらくこの先生の所属する会社は、これまでにかなり保健活動を盛んに行なってきていると記憶しています。

顔や話し方を覚えていて悪い印象ではない場合、自分の中では良い印象、わかりやすい先生として記憶されているのだと解釈しています。

個人的には甲斐先生も結構好きです。子育ても頑張りながらバリバリ仕事をしていて、でもキャリアウーマンぶっている感じが無く、明るく身近に感じられる方だなという印象でした。

総合研修会のデメリット

上記のような総合研修会では、短期間で総合的に学習ができるとこがメリットですね。

数日間にわたり、同じ仲間と学習を継続できるというのはあまり無いので、いろいろな方と知り合えるといったメリットもあります。

しかし、お気付きのように、1日のうちに3〜5個程度のテーマの講義が行われますので、各講義内容も総論的な内容になります。

講義には「栄養学」「メンタル」「運動指導」といったテーマがありますが、ひとつのテーマに関する幅広く深い知識を得たい場合には、個々をテーマに取り上げたセミナーへ行った方が良いでしょう。

あくまでもこの総合研修は、短期間で全般的な学習をすることが目的になりますので、自分の目的に合ったセミナーへ行くようにしましょう。

研修・セミナー会場では名刺交換がサブイベント!

保健師になって初めて名刺を持ちましたが、「一体どこで使うのだろう」と思っていました。

仕事の関係で、初めてお会いする方にお渡ししますが、そこまで数はありません。

ですが、研修に参加してわかりました。研修の合間や終了後に、グループワークなどで知り合うことができた同業者と名刺交換をする流れがあります。ココで一番名刺が活躍します。

私はひとり職場で仕事をしていますが、同じようにひとり職場で仕事をされている保健師は多いものです。

そして、同じ研修に参加するということは、同じ立場(産業看護師)であることがほとんどです。

なので、皆、機会があれば他社の保健師と繋がりを持ちたいと思っているんです。

理由としては、

・何かあったときの相談

・情報交換のため

などでしょうか。

なので、研修へ参加する際には、筆記用具と共に、必ず名刺を持っていきましょう!

私は何度か忘れたことがあり、大後悔しました。。。

研修会には「学び」と「交流」という両方の意味がある

研修会は単にスキルアップだけが目的ではありません

名刺交換についてお話ししたように、保健師は精神的に孤独な職業になることが多いため、他保健師との交流を求めています。

誰でも、自分ひとりで行うことには限界があります。自分ひとりでも、マニュアル化されていることはできるかもしれません。ですが、その方法がその場・その時代・その相手に合っているのかというと、それは評価をしてみないとわかりません。しかし、評価をするにも知識や技術といったスキルが無ければ、考えることができないですよね。

人は何かを行うとき、ただ実施し結果を見ずに次も同様に行う、といった作業を繰り返せば、何も変えることができず、自分も成長できません。PDCAをうまく回す必要がある、とよく言われますが、DCしかできていない状態です。

そうではなく、きちんと評価をして、何が良くて何が悪かったのかを考え、そして次はどのようにしたら良いのかを目標立てていくことがとても重要です。

そのためには、自分のスキルアップと、他者からのサポートが必要です。

研修会で自分のスキルアップをするとともに、研修内でのグループワークを活用して他社の考え方や実施していることを聞いて参考にしたり、必要であれば研修後にもその方から必要なことを教えてもらうことができるでしょう。

研修会への参加は、一石二鳥ですね。

ただ、その研修会へ参加するときの心構えとして、受け身でいるのはやめましょう。

受け身ではなく、自ら積極的に研修会へ参加し、グループワークでも協調性を図りながら自分の意見もしっかり伝えることで、人との繋がりができるのだと思います。

そう、名刺交換も自分から行きましょう。みなさん、名刺交換をしたくてウズウズしてるはずですよ!