テレワークが最近多くなっているけれど、テレワークになるとこれまでと何が変わるのかな?
このような疑問を解決したいと思います。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、急速にテレワークの文化が広がっています。
今回は、テレワークの基本についてと、それによって生じている影響について考えたいと思います。
テレワークとは?
まずはじめに、テレワークとは何かという基本的なところを押さえておきましょう。
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
引用:日本テレワーク協会
上記からわかるように、会社へ出社しなくとも仕事ができる働き方のことを指しています。
このテレワークの中には、以下の3つの種類の勤務形態が含まれています。
・在宅勤務
・サテライトオフィス勤務
・モバイル勤務
在宅勤務
文字通り、自宅で仕事をする形態です。
サテライトオフィス勤務
勤め先以外の事業場や、社外のコワーキングスペースやレンタルスペースなどを利用して仕事をする形態です。
モバイル勤務
社用パソコンや社用携帯電話を用いて、移動中や移動先で仕事をする形態です。
企業での働き方改革が進められていた中での出来事ですので、既にテレワークを導入している企業も多かったと思います。
ですが、全社員に導入していたかというとそこまでの企業は多くはなく、育児・介護や持病を抱えながらの従業員に対する制度など、ある程度の枠組みがあったように感じます。
しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、政府の「緊急事態宣言」、そして「外出自粛」といった対策が早急に進められたことによって、各企業ではテレワーク制度の整備を余儀なくされたと思います。
本当に、この対応は大変だったと思います。
今でもなお大変だと思いますが、一から整備をした企業は、大きな労力を必要としたはずです。
在宅勤務による変化とその影響
このテレワークですが、現在は新型コロナ感染症の流行によって自宅で勤務をする「在宅勤務」という形態が主流になっています。
さて、勤務形態がこれまでと変わることによって、どのような影響が出てくるのでしょうか。
以下の7つのポイントで考えてみます。
1)通勤
業務を行う場所が自宅になることで、通勤が無くなります。
片道1〜2時間かけて通勤をしていた人にとっては、1日2〜4時間の通勤時間が無くなり自分の時間が増えることになります。
これはとても大きなことですよね。
また、毎朝、毎晩の通勤ラッシュに巻き込まれることも無くなります。
しかし、通勤を徒歩や電車、自転車等でしていた人にとっては、通勤時の運動が無くなることになります。
駅までの道、駅の階段、会社内での移動など、ちょっとした運動ではありますが、気分転換としても体力維持としても大切な運動のひとつです。
そのちょっとした運動でさえ機会が無くなってしまいますので、極度の運動不足の状態になりかねません。
<メリット>
通勤時間が無くなり自分時間が増える
通勤ラッシュが無くなり心身の負担が減る
<デメリット>
運動不足になる
2)作業場所
自宅で仕事を行う場合、一人暮らしであるか家族と暮らしているかによっても環境が大きく異なります。
一人であれば静かに作業を行うことができるかもしれませんが、家族と暮らしている場合、特に小さなお子さんがいる場合には、なかなか作業に集中できないこともあるかもしれません。
特に育児と仕事の両立を自宅で行うことは、意外と負担になるものです。
他の家族と協力しながら行う、作業する部屋を設けるなど、工夫が必要かもしれません。
疾患にもよりますが、持病を抱えながら仕事を行う人にとっては、自宅での作業がやりやすいこともあります。
インスリンを打ちながらの生活の場合にも、自宅の方が管理しやすいと思います。
頻繁にトイレへ行く必要がある人にとっては自宅の方が気楽に過ごせますし、調整がしやすいこともあるでしょう。
また、メンタルヘルス不調者などで、他社の目や声、周囲の物音が気になるという人も、会社よりも自宅の方が環境調整をしやすい場合があります。
<メリット>
会社よりも自宅の方が集中できる人にとって良い環境である
<デメリット>
自宅では集中できないという人にとってはあまり良くない環境となる
3)作業環境
作業環境とは、業務を行う際に必要となるデスク、PCといった環境を指しますが、会社は仕事をするための場所ですので、業務上負担が少なくなるような用具や設備配置となっているはずです。
一方、これまで在宅勤務をしたことがなかった人にとって、自宅は仕事の場ではなく生活の場であり、業務のことを考えて物を準備しているわけではありません。
デスクや椅子は長時間の作業に向かない場合があり、PCは会社で借りれるけれどインターネット環境は自分で準備が必要、ということがあるかもしれません。
作業に合わないデスクや椅子で長時間の業務を行っていると、VDT関連障害を生じる可能性もあります。
設備の面では、プリンターやスキャナといった機器類も自宅には無い可能性もありますし、会社にしか置いていない書類もあるかもしれません。
逆に、もし自宅で使っているデスクやPCの方が自分には合っているという場合には良いのかもしれませんが。
<メリット>
自分好みのデスクやPCを業務で使うことができる
<デメリット>
業務ができるよう物品の準備が必要
業務に向かない環境・体制での作業による健康障害の可能性
4)時間管理
企業によってどのように時間が管理されているのかにもよりますが、もしタイムカードのようなもので管理されていた場合には、在宅勤務時には同じ方法での管理は困難です。
また、自宅は生活の場であるため、生活の場での業務となるとON・OFFの切り替えが難しくなるかもしれません。
会社ではチャイムが鳴ったり定期的に体操の時間・休憩の時間がなる場合がありますが、自宅ではそういった機会が無く、自分で時間を把握して休憩を取るなどしなければならなくなります。
通勤についてでお伝えしたように、自分の時間が増えることになるため、より長時間仕事をしやすくなり、残業を簡単にできてしまうかもしれません。
各自でどのように業務を進めるのか、自由度が高い分、計画的に業務を行うようにより意識をする必要がありそうです。
<メリット>
時間の使い方の自由度が高くなる
<デメリット>
長時間の業務になりやすい
ONとOFFの切り替えが難しい
5)連絡手段
在宅勤務時には、メールや電話によるコミュニケーションがメインとなります。
普段は顔を合わせてするような簡単な会話、雑談のような話も、在宅勤務になると一切無くなってしまうでしょう。
また、メールや電話といった顔の見えないコミュニケーションツールでは、相手の状況がわかりづらく、いつ、どのタイミングで連絡をすべきか悩む場合もあります。
特に経験年数の少ない従業員から上の人へ連絡をするのは、苦手な人もいるかもしれません。
この物理的な距離は心理的な距離になることもあります。
コミュニケーションツールをうまく使えなかったり、そもそもコミュニケーションが苦手な場合には、なかなかメールや電話がうまくできず、業務上必要な連絡ですら困難になってしまう可能性もあります。
また、うまく連絡ができないことによって孤独感を感じてしまうことがあります。
管理職がコミュニケーションが苦手という場合には、部下の状況の把握ができない、業務がうまく回らないなど、これまで以上に仕事の支障が大きくなりそうです。
<メリット>
メールや電話がメインの連絡手段となるため、会話が苦手な人にとっては良い
<デメリット>
雑談が無くなる、ちょっとした相談がしづらい
電話をかけるタイミングが難しい
孤独感を感じる
6)在宅勤務ができない人もいる
当たり前ですが、業務内容によっては自宅でできないことも多く存在します。
そういった業務に就いている労働者はテレワークができませんので、通常通りの勤務をしなければならない可能性が高いです。
もちろん、新型コロナウイルス感染症の流行の中、これまで通りの業務を行うことに対して不安はあるはずです。
また、これまで同じように出社して仕事をしていた仲間や上司が在宅勤務になる場合には、うらやましく感じることも多いでしょう。
会社が在宅勤務を許可したからと言って、全ての人が在宅勤務ができるとは限りません。
そう言った不公平感を生んでしまうことも考えられます。
<デメリット>
在宅勤務適応の業務でない場合には不公平感を感じることも
7)生活リズム
時間管理にも関連しますが、通勤時間が無くなる、自宅が仕事場になるということなど、これまでとは異なる生活になると、どうしても生活リズムが崩れてしまいます。
朝早く起きていた人は、少し遅くまで寝ているかもしれません。
早起きしなくても良いとなると、夜遅くまで起きているかもしれません。
通勤などの運動が無くなり、体があまり疲れず、睡眠が浅くなるかもしれません。
これまではほとんど外で過ごしてきたのに真逆の生活になり、どのように過ごせば良いのかわからなくなるかもしれません。
いろいろなケースが考えられますが、心身ともに大きな影響を受けるため、生活のリズムへの影響も出やすくなります。
できるだけこれまでとリズムを変えないか、もしくは新しく生活リズムを作り上げるといった試みが必要だと考えられます。
<デメリット>
生活リズムが乱れやすくなる
まとめ
今回はテレワークについてと、在宅勤務になることによる影響を考えてみました。
在宅勤務になることでそれぞれメリット・デメリットもあるようですが、こういった影響があることによってどのような問題が生じるのか、それに対してどのような対策を取る必要があるのか、そういった点を次回考えてみたいと思います。