基本 看護師からの転職

産業保健と医療現場の違い【転職希望なら知っておこう】

2019-04-29

こんにちは。

現在看護師として医療機関に勤めており、今後は産業保健師へ転職をしてみたいと思っていたりしますか??

 

私はまさに看護師から保健師へ転職し、勤務場所が病院から企業へ変わりました。

同じように転職をお考えの場合には、医療現場と産業保健の場での活動や組織の違いを知っておきましょう。

当たり前のことかもしれませんが、実際に全く異なる環境へ行くと最初は戸惑うものです。

予め知っておくことができれば、そのギャップによるストレスはほんの少しは小さくなるかもしれません。

少しずつ産業保健というものを知っておくと良いでしょう。

 

医療現場と産業保健現場の活動の違い

病院

活動目的としては、疾患を抱える患者の治療を行うことが目的であり、日常生活を送ることができるレベルまで回復させることが目標となります。

つまりその活動は診療活動です。

この活動体制は、病院の規模が大きくても小さくても変わりありません。

 

企業

企業における産業保健活動の目的としては、企業の安全配慮義務の遂行など、働く人々の健康維持・増進を支援することであり、働く人々がその企業で就業できるレベルを最低限維持できるように働きかけることが目標となります。

 

活動の対象、その組織について

病院

病院での診療行為は、個人個人に対して行われます。

時折、患者教育として集団を対象に教育が行われる場面もありますが、診療行為を集団に対して一括で行うことはありません。

また、対象者である患者同士の関係性として、基本的には特に関係ありません。

患者同士で精神的支えになることもありますが、患者同士で何かの役割分担を担うなど、その入院生活で、特に何かを協力して過ごすことはありません。

 

企業

企業における産業保健活動は、個人個人へ行われるものであり、また、集団に対しても行われます。

産業保健活動が「健康の維持増進」を目的として行われるものですので、個人の状況に応じた支援は個別に行い、集団の特徴を捉えて行う支援は集団に対して行われます。

例えば、Aさんは血圧が高いので血圧の数値が改善できるようアドバイスを行います(個別への支援)

そしてAさんが所属するB事務所には300人の従業員が所属していますが、その事務所では喫煙率が他の事務所より高い傾向にあるため、B事務所で喫煙率が下がるような集団教育を行います(集団への支援)

また、対象者である働き手の関係性については、企業内で個々にそれぞれの役割を担っており、互いに協力をし、日々切磋琢磨しながら過ごしています。

つまり、対象者は組織的活動を行なっています。

 

これらの情報から何が言えるのか

病院では疾患を抱えている人それぞれを対象に、その人の早く回復し日常生活に戻れるように支援をしていきます。

しかし産業保健の場では、まだ病院に入院をしていないけれどもすでに疾患レベルの人や、まだまだ健康である人などレベルは様々ですが、それらの全ての人々が安全に就業ができるよう支援をすることになります。

看護師といった医療現場から産業保健の場に移った場合、これまでの活動経験上、有所見者(健診結果で異常がある人)に目が行きがちで、有所見者へ個々にアプローチをすることを重視する傾向があります。これをハイリスクアプローチと言います。

ですが、働く人は他にもたくさんおり、集団の特性を活かしながら、全体が組織として安全・健康に就業を続けることができるように働きかける必要があります。これをポピュレーションアプローチと言います。

 

健康への働きかけという意識は同じかもしれませんが、その活動場所が異なると、有効なアプローチ方法も異なります。

そして、組織として就業をしている以上、良くも悪くも組織としての影響がもたらされています。

そういった特徴を把握し、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチをうまく使い、働き手全体の健康レベルを上げていけるようにすることが重要です。

 

最後に

実際に仕事をしてみないと、なかなかその違いを把握するのは難しいでしょう。

ですが、産業保健への転職を希望するのであれば、少しでも今後のイメージを沸かせ、自分がどのような仕事をしたいのか、どのような保健師になりたいのかを思い描き、その道を目指して欲しいと思います。

 

 

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