看護師からの転職

看護師と産業保健師の違いとは?

産業保健師と看護師の違いってなんだろう?

産業保健師って看護師の延長線上なのかな??

このような疑問を解決したいと思います。

 

看護師から産業保健師へ転職する方はとても多いです。

新卒から産業保健師をされている方もいらっしゃいますが、私が出会う産業保健師は3年以上の看護師経験をされている方が多いです。

同じようなキャリア転換を検討されている方は、まずは看護師と産業保健師の違いについて知っておくと良いでしょう。

 

あ、もちろん看護師経験が無いと産業保健師になれないというわけではありませんので、それはご心配なく。

 

看護師と産業保健師の資格

  

産業保健師は保健師の資格の下にある職業ですが、保健師自体は看護師の上級資格のようなものになっています。

保健師資格は看護師資格が無ければ取得することができません。

 

このような資格の仕組みになっているため、看護師と保健師はなんだか関連性が大きく見え、看護師から産業保健師への転職が割と簡単なように感じられます。

 

もちろん、募集が少なければ簡単にはいきませんが、そのような点ではなく、「職種としての転換が容易かどうか」という点では、簡単に見えても割と難しいと思っています。

それもこれも、資格が延長線上にあるため、業務も同様に延長線上にあるように感じやすいからだと思います。

 

看護師と産業保健師の違い

ですが、業務が延長線上にあるというのは錯覚で、看護師と産業保健師の業務は180度異なります。

もちろん、臨床での業務とオフィスでのデスクワークを比べれば全く異なることは想像できると思いますが、お伝えしたいのはもっと芯の部分です。

 

こちらは、私なりに考える「看護師と産業保健師の違い」です。

各項目について説明していきますね。

 

対象

看護師の業務としては患者やそのご家族が対象になりますが、産業保健師の業務の対象は従業員個人または企業そのものになります。

企業そのもの、と言うとイメージしにくいと思いますが、産業保健師業務の目的が「企業の経営が維持できるようにするための活動」でもあるため、そのようにお伝えしてみました。

もちろん、看護師も病院のイメージアップに繋がるように、また病院の経営が維持できるようにといった目的の下での活動でもあるとは思いますが、なかなか自身の看護を病院経営にまで繋げて考える機会は少ないと思います。

ですが、産業保健師の活動の場合は、所属企業の経営にまで意識を向けなければならないことが多々あるのです。

 

協働

看護師として病院で業務を行う場合、医師、薬剤師、理学療法士や作業療法士、栄養士、医療事務、、といった医療関係者とともに仕事をすることが大部分になります。

一方、産業保健師として企業で業務を行う場合、産業医や同じ産業保健師と仕事をする他に、医療従事者ではない職種の方々と連携を図ることが多々あります。

この連携先が医療者か否かで何が違うのかと言うと、「医療者では当たり前」である考えが全く通じないということです。

例えば、

・内科と外科の違いは何?

・感染対策って重要なの?

・どこまでが個人情報?

といった基本的知識が備わっていない点が、医療者か否かで大きく異なります。

 

だからと言ってデメリットばかりでは無いのですが、「共通語」が無いことで重要性が伝わりにくかったり、勘違いを生んでしまうことがあります。

病院では共通認識の下で業務を行っていますが、一歩社会へ出るとその共通認識が無くなり、一から説明して理解を得ることが必要となります。

また、逆に一般職の中では当たり前であることが医療職だからこそわからない、常識が無い、と思われることもありますので、相互理解に努めていくことが重要ですね。

 

アプローチ

看護業務は基本的に対個人での支援となる一方で、産業保健師の業務は対個人のものと対集団のものとの両方があります。

対個人としては、従業員一人一人との面談や支援があり、対集団としては、複数従業員への健康教育や部署に所属する従業員に対する活動が挙げられます。

対集団へのアプローチがなかなかイメージしづらいと思いますが、例えば、

・会社の従業員全員の健康診断結果をまとめ、課題を見出す

・会社の従業員全体への健康施策を考案する

など、100〜1000人単位への集団を捉えて考える業務が挙げられます。

 

業務場所

これは看護師として、産業保健師として勤める場所についての話になりますが、病棟看護師の場合は病院、産業保健師の場合は一般的には企業となります。

この場所の違いは大きなポイントです。

 

基本的に、

・病院は病気を治す場所

・会社は働く場所

ですよね。

 

つまり、病院では看護師は患者に早く病気を治してもらえるように支援し、患者も病気が治るように努めますので、看護師も対象者も目標がほぼ一致していることがわかります。

一方で、会社では、産業保健師は従業員に健康を維持してもらいたいと思って支援をするのに対し、従業員は健康になるために会社へ来ているのではなくて仕事をするために来ているため、産業保健師とその対象者である従業員の目的・目標が一致していないことがわかります。

これがとてもポイントです。

健康になるために会社に来ているわけでは無い従業員を、会社で健康について教育を行ったり支援したりすることは、容易ではありません。

これが産業保健師の業務の難しさであり、やりがいにもなったりします。

 

看護師と産業保健師の業務の違い

ここまで、看護師と産業保健師の業務における対象者や業務場所などの違いについて説明してきました。

対象者や場所が異なれば、自ずと業務も大きく異なることが理解できると思います。

看護師と産業保健師の業務内容は180度異なりますので、転職を検討されている方は、この業務の特徴の違いについてよく理解した上で転職活動に励みましょう。

 

ちなみに、私はよくわからないまま転職をして、世界の違いに非常に驚きました(笑)

  • この記事を書いた人
maki

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