こんにちは。
血圧が高くてお悩みでしょうか?
本記事では、どのような場合に血圧が高くなるのか、そのメカニズムをお伝えしていきます。
これまで、「血圧とは何か」や「血圧の基準値」と言った基本的な内容についてお話ししてきました。
まだご確認いただいていない場合は、それぞれの記事をご覧ください。
血圧は「心拍出量」と「末梢血管抵抗」が関連しているとコチラでお伝えしてきましたが、それでは、血圧が高くなるというのはどのような状態のときなのでしょうか。
結論としては、心拍出量が増加する場合や末梢血管抵抗が増大する場合です。
血圧が高くなるメカニズムとは?血圧が上昇する要因・原因【高血圧予防】
血圧が高くなるのはどのような場合なのかを考える前に、身体において血圧が上昇するメカニズムを少し理解しておきましょう。
コチラの記事で詳しくお伝えしていますが、血圧は「心拍出量」と「末梢血管抵抗」の掛け合わせで決まります。
そのため、心拍出量や末梢血管抵抗のどちらかまたは両方が大きくなった場合に血圧が高くなると言えます。
それでは、どのような場合に心拍出量や末梢血管抵抗が大きくなるのかを詳しくお伝えしていきます。
心拍出量が増大すると血圧が上がる
心臓は絶えず動いており、血液を溜め込み拍出して全身に血液を送り出しています。
心拍出量とは、心臓が拍出している血液量のことです。
この心拍出量に影響を及ぼす因子としては、
・心臓の機能
・心臓の動きの速さ
・体内の血液量
が挙げられます。
心臓の機能=心収縮力
心臓の機能が正常であれば、血液を全身へ送り出すことができます。
この時に大きく関わる機能は、心臓の収縮力です。
心臓は拡張して血液を溜め込み、収縮して血液を拍出します。
そのため心臓の収縮力が増大することで、拍出能力は大きくなり、血圧が上がることがわかります。
心臓の動きの速さ=心拍数
一定時間に拍出できる血液量は、1回に拍出できる血液量が同じである場合には、心臓が多く動く(収縮する)方が、拍出量が増加します。
そのため、心拍数が多くなると、血圧が上がる要因になります。
体内の血液量=循環血液量
体内の血液量によって、心臓が1回に拍出できる血液量が変わります。
体内の血液量、つまり全身を循環している血液量(循環血液量)が少なければ1回拍出量は減りますし、逆に循環血液量が増加すれば1回拍出量は増加します。
つまり、循環血液量が増加することも、血圧が上がる要因になります。
*心収縮力、心拍数、循環血液量を調整する身体機能
心拍出量に関わる「心収縮力」や「心拍数」、「循環血液量」は、身体の神経やホルモンによって調整されています。
身体の自律神経である交感神経の働きが活発になると、心拍数が増加したり心収縮力が増加したりします。
末梢血管抵抗が増大すると血圧が上がる
末梢血管抵抗とは、簡単に言うと血管の硬さや状態、血液の粘性ということもコチラでお伝えしました。
そういった末梢血管抵抗が増大することにより、心臓が血液を拍出する際に必要となる力はより大きくなり、また血管にかかる圧力が増えることになります。
この末梢血管抵抗に影響を及ぼす因子としては、
・血管床の面積
・動脈壁の弾性
・血液の粘性
が挙げられます。
血管床の面積
次にお話しする「動脈壁の弾性」も少し関わりますが、交感神経が優位に働いていると血管が収縮し、血管床の面積が少なくなるとともに、血管の弾性が低く(硬く)なります。
また、腎臓や副腎のホルモンの働きによっても血管収縮は生じます。そうすると血管が受ける圧力が高まったり、血管内容積に対する血液の割合が高くなりますので、血圧は高くなります。
交感神経が優位になる場合については、先述した通りです。
動脈壁の弾性
血管の動脈壁の弾性は、交感神経が優位になって血管が収縮した場合に硬くなりますが、加齢とともに生じる動脈硬化によっても引き起こされます。
この動脈硬化は誰でも加齢によって起こるものですが、生活習慣によってさらに加速されることがあります。
コチラの記事で詳しくお伝えしていますが、血管内にLDLコレステロールなどが付着して血管を硬くするとともに血管内を狭めてしまいます。
そうするとどんどん血圧は上がっていってしまいます。
血液の粘性
血液の粘性は、サラサラしているかドロドロしているかのことですが、コレステロールといった脂質成分が多くなると血液はドロドロになり流れが悪くなります。
血液の粘性が増すと心臓が大きな力を使って血液を送り出す必要が生じます。
そうなると同時に血管壁への圧力は高まりますので血圧が高くなります。
まとめ
体内では神経やホルモンといった様々な調整機構が働き、血圧を調整しています。
上記でお伝えしたのは、生体機能として必要な血圧を維持するために血圧を上げる働きであり、これらの働きのせいで血圧が基準値よりも高くなると言っているのではありません。
もちろん、疾患などで神経やホルモン分泌に影響が出る場合には、調整機構が乱れて血圧が上がりすぎてしまうこともあります。
生体内の調整機構は、生命維持のための基本的な機能ですので不可欠です。
そう言った調整機能が備わっているにも関わらず、私たちは生活の中でそれらの機能ではカバーできないくらい大きな影響を与える要因を取り込んだり生み出したりしてしまっているのです。
本記事では血圧が上がる場合のメカニズムを元に、要因についてお伝えしてきました。
心拍出量と末梢血管抵抗から決まる血圧を左右する因子は以下になります。
・心収縮力
・心拍数
・循環血液量
・血管床の面積
・動脈壁の弾性
・血液の粘性
これらの因子に影響を及ぼすことで血圧は上昇することになります。
血圧の上昇には様々な要因があることがわかったのではないかと思います。
つまり、こういった要因に影響するようなことをした場合には、血圧が上がるということなのです。
次は、日常生活の中での血圧が上がりやすい場面や、血圧を上げる要因について詳しくお伝えします。