振り返り 産業保健師の日常

看護師や保健師(看護職)の専門性とは何か(1)

2019-06-22

医療業界にはたくさんの専門職が存在しており、一人の患者、対象者に対して多くの専門職が関わっています。

その数ある専門職の中に看護師や保健師も含まれるわけですが、看護師や保健師だけにしかできないことは何でしょう。

看護師や保健師の方は、この「専門性」について、他職種に詳しく伝えることができますか?

 

今回は、看護師や保健師の専門性について考えてみたいと思います。

 

医療に関わる専門職は数多く存在している

看護師は主に病院や地域で活動をしており、保健師もまた地域や学校、企業で活動をしています。

ですが、どの活動場所でも、看護師ひとりで対象者の抱える問題点を解決しているわけではありません。

 

病院における看護師の役割

例えば、病院には看護師の他に医師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、作業療法士、栄養士、社会福祉士、介護士などの様々な職種の人が仕事をしています。

コメディカルの中心に医師が立っており、医師の指揮のもと各専門職が専門性を発揮して対象者を支援しています。

この中で看護師は一体どのような働きをしているのでしょう。

保健師助産師看護師法の第5条では、看護師は

「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うこと」

とされています。

看護師としての仕事を振り返ると、確かに病院ではいつでも患者の側におり、医師の指示の下で診療の補助や療養上の世話を行なっています。

割と病院では各専門職の業務内容がはっきりと分かれていることもあり、看護師として行うべきことがわかりやすいと思います。

 

生活における看護師の役割

普段の生活の中で、例えば家族と関わっている中で、看護師として家族に何か有益なモノ・コトを与えることはできるのでしょうか。

医師は医学的知識があるため、家族の不調を診て診断できることがあるかもしれませんが、看護師には診断スキルはありませんので、「なんとなくこう思う」程度であり、断言はできないように思います。

また、栄養士であれば、食事や栄養に関する知識を使って、家族の食生活を助けることができるでしょう。

一方で、看護師が普段の生活でできることは何なのでしょう。

基本的には医師の指示の下で動いてきた看護師であり、また、病気を抱える人に寄り添いながら治療を手助けすることが大部分です。

トランス(移乗)は介護士や理学療法士の方が優れていることもあったり、薬の知識や栄養の知識も薬剤師や栄養士の方が優れていると言えるはずです。

つまり、看護師は医学や薬学など様々な学問に触れてはいますが、それらに特化した学習は行なっていませんので、それぞれに特化した学習をしている専門職には劣るのは仕方がないということです。

 

私が看護師になった理由

私は「看護師に憧れた」とか、「看護師にお世話になった」という理由で看護師になったわけではありません。

憧れが全くなかったかというとウソになるかもしれませんが、きっかけとしては「家族や自分のためになる知識や技術を身につけたかったから」と考えたことで、多くの職業を知らなかった・探さなかった私は、身近な職種である看護師を選んだのです。

つまり、看護師になれたのであれば、その知識や技術を活かして家族を助けたい、周りの人の役に立ちたい、という気持ちになったのですが、いざなってみると、あまり役立っていないように思えたのです。

理由は、先述の通り。

医師でもなく、栄養士でもなく、薬剤師でもなく、、、そう言ったスペシャリストではないから。

こんな想いから、今回の「看護師や保健師の専門性とは何か」という疑問が生まれています。

 

 

少し長くなってしまいましたので、個人的な見解を含め、次へ続きます。

 

続きはこちらです
看護師や保健師の専門性とは何か(2)

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