デング熱
とにかく予防に尽きるデング熱。注意点はコチラ。
■ 肌の露出をできるだけ避ける。
■ 虫刺され防止薬を適切に使用する。
実際にデング熱に関してよくわからない場合は、まずはデング熱について理解しましょう。
デング熱とは?
デング熱は、デングウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)に刺されることによって生じるウイルス感染症です。
デングウイルスを媒介する蚊が生息する熱帯・亜熱帯地域で多くみられ、全世界で年間約1億人の患者が発生していると推測されています。流行地から航空機によって感染した蚊が運ばれるなどして、国内でも感染する可能性がある疾患です。
<ヒトスジシマカ>
http://www0.nih.go.jp/niid/entomology/pictures/albopictus/albopictus.html
デング熱の病原体
デングウイルスであり、1~4型の4種があります。感染した型のウイルスには免疫を得ることができます。
発症前日から発症5日後まで血液中にウイルスが確認できます。
感染経路と潜伏期間
デングウイルスに感染した蚊に刺されることによって感染します。
人から人への直接感染は無く、感染後に発症しない場合も多くみられます。
ですが、発熱など発症している人を刺した蚊はデングウイルスに感染しますので、蚊を媒介しての感染が生じます。
治癒後は基本的に血液中のウイルスが消失していると考えられています。
潜伏期間は2~15日であり、多くの場合は3~7日です。
症状
【初期症状】
突然の高熱で発症。
頭痛、眼・眼窩痛、顔面紅潮、結膜充血を伴う。
発熱は2~7日間持続。
【初期症状に続いて】
全身筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感
【発症後3~4日後】
胸部、体幹から始まる発疹が出現し、四肢、顔面に広がる。
症状は1週間程度で回復します。
約1~5%の患者に、発熱2~7日後、出血傾向やショック症状を呈するデング出血熱を起こします。
治療
ワクチンや特効薬は無く、対症療法。
重篤化しなければ後遺症も無く、予後は比較的良いです。
早期に適切な治療が行われることが重要であり、手遅れになると死亡することがあります。
予防
(1)デングウイルスを媒介するヒトスジシマカやネッタイシマカは日中に活動し、ヤブや木陰などでよく刺されます。その時間帯に屋外で活動する場合は、肌の露出を控え、長そで・長ズボンの着用が推奨されます。素足でのサンダル履きも避けたほうが良いです。
(2)虫よけスプレー・蚊の忌避剤等を使用し、屋外・屋内でも蚊に刺されないように注意しましょう。
(3)室内の蚊の駆除を心がけましょう。
(4)水たまり等、蚊幼虫の発生源を作らないように注意しましょう。
ヒトスジシマカの活動時期
日本のほぼ全域に分布しており、5月中旬~10月下旬に活動が盛ん。
◉蚊が媒介する感染症
デング熱以外にも、ウエストナイル熱、チクングニア熱、マラリアなども蚊が媒介する感染症として知られています。
ウエストナイル熱
ウエストナイルウイルスの感染
症状:発熱、脳炎
地域:米国、カナダ
チクングニア熱
チクングニアウイルスの感染
地域:アフリカ、南アジア、東南アジア
症状:発熱、発疹、関節痛の3大症状。急性症状軽快後も、数週間~数年にわたりリウマチに似た関節痛や腫脹・圧痛が続くことがある。
マラリア
マラリア原虫による寄生虫症。
地域:東南アジア、アフリカ、中南米
症状:発熱、貧血、脾腫
治療が遅れると死に至ります。
その他の情報
その他蚊媒介感染症や発生地域、症状等、こちらに網羅されています。
蚊の発生防止対策~蚊媒介感染症防止のために~(東京都福祉保健局)
6/1~6/30、蚊の発生シーズン前に。
感染症媒介蚊対策講習会 (東京都福祉保健局主催)
毎年6月に開催されています。
・蚊が媒介する感染症について / 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 忽那賢志氏
・蚊(ヒトスジシマカ)の生態 / 一般財団法人 日本環境衛生センター東日本支局 武藤敦彦氏
・身近でできる蚊の対策 / 元日本防疫殺虫剤協会 足立雅也氏
厚生労働省(デング熱) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131101.html
東京都福祉保健局(デング熱) http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/dengue/index.html
東京都福祉期保健局(東京都における感染症媒介蚊対策)http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/eisei/baikaikataisaku/mosquito_measures.html
東京都感染症情報センター(デング熱) http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/dengue/
東京都福祉保健局 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/index.html
東京都感染症情報センター http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/